JAL123便事故 関連資料・14

「天空の星たちへ」 青山 透子 著(マガジンランド)
あとがき 未来への提言

・JAL倒産

二〇一〇年一月十九日(火曜日)夕刻、日本航空株式会社(日本航空インターナショナル、ジャルキャピタルとともに三社)は東京地方裁判所に会社更生法の適用を申請した。

私はどうしてもこの日の数字が気になった。
一月十九日ということは、『119』である。あの御巣鷹の尾根で大破した飛行機の個別認識記号はJA8119号機。JAは日本国籍のことで、8はジェット機の意味、その次が個別の番号となる。それが119だったのである。
まさかの偶然だろうが、この日に破綻とは二十五年経った奇妙な廻りあわせとも思える日である。

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墜落現場の様子、機体番号の「JAL8119」が書かれた部分の残骸

負債総額は合わせて二兆三千二百二十一億円と、戦後の事業会社一位という過去最大の経営破綻となったのである。これほどまでの大型倒産を不自然なまでに、NHKなどのテレビや一部の新聞等では、経営破綻や倒産という言葉を使わずに、直ちに企業再生支援機構による支援が決定して、公的資金枠九千億円投入という面ばかりを強調した。その陰で政策投資銀行による三千億円規模の債権放棄(税金)も含めた巨額の債権放棄もあったのにもかかわらずだ。

また翌日の新聞各紙のJALによる全面広告は、「飛び続けます」と大きな文字で書いて、その下に小さくお詫びが書いてある。順番や文字の大きさが逆ではないか。当然、世間へのお詫びが先だろう。
前原国土交通大臣は、公共交通機関である飛行機を止めない事ばかりを強調した。

それによって、ある日突然の倒産ではなく、事前調整型の倒産は、二月二十日に株式が上場廃止となったものの、多額の債権放棄やマイレージ保護などの報道の中で、実際にそこで働く人々に対して、何の危機感も持たせないまま毎日の延長上でその日を迎えさせた。

これは、これから始まる企業更生に不可欠な従業員たちの自己洞察力と自己改革、そして現実の重さを認識する最大のチャンスを失ったことになる。

人間とは所詮、お金が入ってこない(お給料が入らない)現実や解雇、さらにロビーのシャッターが朝突然閉じることや、燃料をストップされて飛行機が飛ばない、乗客がひとりもいないなどを経験し、崖っぷちに立たされないとどうしても倒産という現実を受け入れられないものだからである。

これから三年以内という短期間に利益を上げて、一兆円規模の公的資金を回収する責務を負った従業員一人ひとりは、しっかりと心構えが出来ているのだろうか。

いまだかつて経験したことのない大規模な更生会社に対して、当初中小企業向け融資を想定していた支援機構の人たちはきちんと再生計画を実行し、真に更生させられるのか。

国民はこれからずっとこの成り行きを注視し続けなければならない。もし三年後に再生不可能となれば、生まれたての子どもから高齢者まで、強制的に国民ひとり当たり約一万円をJALという一民間会社へ支払ったことになる。

いかなる理由があろうとも、経営破綻という現実を真正面から見つめて、生まれ変わるために国民から借りたお金であることを忘れてはならない。

間違っても、世の中の人たちがどうしてもJALに存続してほしいと願ったからだとか、公共交通機関として必要とされているのだから当然だ、などと思ってはならない。

そのとたんに、国民から見透かされて嫌われ、誰もJALなどを選んで乗ってくれる人たちはいなくなり、顧客を失う。
昨年秋、御巣鷹の尾根で出会った若い新入社員たちが、自由に夢を描けないとするならば、再び破綻が訪れるだろう。

・防衛省の文書不在につき不開示

事故直後、相模湾の極めて狭い範囲内で日航機の破壊された垂直尾翼を中心とした数々の破片や機体の部分が見つかったことがどうしても気になった。翌日の十三日だけでも二十八点以上の破片が回収されている。

垂直尾翼の一部を回収した試運転中の海上自衛隊護衛艦『まつゆき』が、その相模湾でどのような試運転をしていたのか、何を訓練していたのか、防衛省に情報開示の法律に基づいて行政文書関示請求をしたところ、不開示決定通知が届いた。
その理由は、「文書不在につき不開示」ということであった。

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実は、不開示決定通知書が届く前に、防衛省の事務局から電話があり、
「これはない可能性があるので、請求をされても見つかりませんから、請求を取り下げたほうが良いと思います」という丁寧な(?)説明までされたが、お金を払って申し込んだ人に対して、文書がない可能性があるからやめたらどうか、とは?

これではせっかくの情報公開の法律も泣いている。公務員の恣意的な不作為を感じてしまった。公務員として、公に対してのサービス精神を忘れて、単に仕事をしたくないからであろうか?
これがその返答である。



JAL123便事故 関連資料・11

「天空の星たちへ」 青山 透子 著(マガジンランド)
第三部 乱気流の航空業界 未来はどこへ
第三章 上野村へ
*御巣鷹の尾根が語りかけること

/あの日を語る① p380~
http://nekotomo.at.webry.info/201210/article_3.html


JAL123便事故 関連資料・12

「天空の星たちへ」 青山 透子 著
第三部 乱気流の航空業界 未来はどこへ
第三章 上野村へ
*御巣鷹の尾根が語りかけること

/あの日を語る② p387~
http://nekotomo.at.webry.info/201210/article_5.html


JAL123便事故 関連資料・13

「天空の星たちへ」 青山 透子 著
第三部 乱気流の航空業界 未来はどこへ
第三章 上野村へ
*御巣鷹の尾根が語りかけること

/先輩の墓標 p398~
http://nekotomo.at.webry.info/201210/article_6.html


JAL123便事故 関連資料・14

「天空の星たちへ」 青山 透子 著
あとがき 未来への提言 p428~p431

/JAL倒産
http://nekotomo.at.webry.info/201210/article_7.html 


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