「誰が小沢一郎を殺すのか?」の著者 カレル・ヴァン・ウォルフレン氏と吉岡利固氏が対談

『日本の政治システムの問題点』 ~久々に「週刊大阪日日新聞」が快心記事を掲載~
2012年10月19日
情報元:
http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/a5dcd1106d069397953c45de12c13e34

ちょうど1年ほど前のエントリー内容であるが、ここで語られているウォルフレン氏と大阪日日新聞の吉岡社長のやり取り内容は1年経った今も色褪せないどころか、むしろ今だからこそ真に問われるべき内容である。

特に日本の最大の病巣である官僚機構の”悪行””性質”について、多くの”金言”が語られているゆえ、是非とも一人ぜも多くの方に読んでいただきたく、ここに再褐する次第である。

(以下、再褐)

【注目記事】 『日本の政治システムの問題点』 ~久々に「週刊大阪日日新聞」が快心記事を掲載~
2011年10月15日

”国家権力”に対抗する地方ローカル紙「週刊大阪日日新聞」が、久々に快心の特集記事を掲載した。
あの「誰が小沢一郎を殺すのか?」の著者であるウォルフレン氏と、同紙吉岡社長との会談記事であるが、見事なまでに「日本の官僚支配」をバッサリと斬り捨てる内容である。
是非お目通し願いたい内容である。

尚、「週刊大阪日日新聞」の功績については、以下のエントリーを参照願いたい。

※参考1「「官房機密費問題」が止まらない ~ついに地方ローカルのフリーペーパーにまで特集記事~」
http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/950e1d1d1b198f618e514450ba8c6850

※参考2「「週刊大阪日日新聞」が止まらない ~「官房機密費問題」最新記事~」
http://blog.goo.ne.jp/tarutaru22/e/231f262d877a4c503fc644393f6bbd33


◆大阪発 ザ・論点 特別対談 日本の政治システムの問題点を語る

「誰が小沢一郎を殺すのか?」著者
元日本外国人特派員協会会長 カレル・ヴァン・ウォルフレン
        ×
週刊大阪日日新聞社 社長 吉岡利固

「誰が小沢一郎を殺すのか? 画策者なき陰謀」(角川書店刊)の著者で、日米政治関係論の世界的権威であるオランダ出身のアムステルダム大学教授、カレル・ヴァン・ウォルフレン氏と、週刊大阪日日新聞社の社長、吉岡利固が日本の政治システムの問題点について語り合った。2人は「欧米の政治経済が制御不能の状態に陥っている今こそ、日本は対米追従外交を改め、真に日本を率いる政治家が必要」と意気投合、大マスコミに失望するウォルフレン教授は「地方紙が連携して中央政府にNOの声を挙げては?」と提案、熱っぽい論議が繰り広げられた。

Karei van Wolferen
 1941年4月、オランダ・ロッテルダム出身。87年オランダジャーナリズム部門最高賞受賞。日本外国人特派員協会会長を経て、97年からアムステルダム大学教授(政治経済制度比較論)。
 日本での著書に「日本/権力構造の謎」(早川書房)、「民は愚かに保て日本/官僚、大新聞の本音」(小学館)、「人間を幸福にしない日本というシステム」(毎日新聞社)、「世界が日本を認める日もうアメリカの『属国』でいる必要はない」(PHP研究所)など多数。

《日本の希望は自らの手で開け 組織的に既得権を温存する官僚、小沢つぶしに熱心な既存マスコミ…》

○小沢つぶしで官僚安泰

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▲「日本を支配する官僚社会と米国軍部の存在を明らかにされ、目の前が晴れた思いがした」と話す吉岡社長

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▲「政治家は選挙で選ばれたが、官僚はそうしたリスクのないまま権力を振るっている」と話すウォルフレン教授


吉岡社主
─好き嫌いは別にして、私は以前から小沢一郎氏が〝最後の政治家〟と思っていた。その小沢氏は検察につぶされ頓挫した。非常にモヤモヤした後味の悪さを感じていたが、教授の著書「誰が小沢一郎を殺すのか?」で冷静沈着に的確な分析をされ、日本を支配する官僚社会と彼らのバックにいる米国軍部の存在を明らかにされ、パッと目の前が晴れた思いがした。

ウォルフレン教授
 厳しい言い方かも知れんが、目を開けていれば誰でも分かること。外国人の私だと、違う視点で見られる部分もある。

─日本の官僚に対し、非常に厳しい見方をしておられる。

 まず念頭に置かなければいけないのは「政治家は選挙で選ばれたが、官僚はそうしたリスクのないまま権力を振るっている」ということ。日本の官僚制度は山県有朋(明治の元勲で〝国軍の父〟と呼ばれた初代内務大臣)のころから何ら変わっていない。選挙で選ばれてもいない官僚が国を動かし、彼らは組織的に既得権を温存する。日本の政治システムが変わると困る米国が、彼らと一緒になって真の変革を阻止している。

─官僚と米国にとって小沢氏は最もやっかいな存在?

官僚にとっては政治システムの主導権を政治家に移そうとするのは絶対に看過できない。米国は小沢氏が中国に接近したことで、彼に不快感と危機感を覚えた。そこで両者の思惑が一致した。

─小沢氏が封じ込められたことは、日本にとって不幸だった。

 二つの点でそう言えると思う。まず、小沢氏の才能が封じ込まれ、まったく生かされなかった。東日本大震災でも、小沢氏が力を発揮できればまったく違った対応になっていたはず。次に民主党の議員が検察をはじめとする官僚に恐れを抱いてしまい、政治システムを政治家に取り返す気概を失ってしまった。

○勇気ある社長に敬服

─菅総理は独りで政治を行おうとして、現在の民主党を築いた小沢、鳩山さんとの「トロイカ体制」を自ら放棄した。

 明治維新や戦後復興も、けっして1人の力で成し遂げたわけではない。なのに、菅さんは2人を排除して財務官僚だけを頼りにしてしまった。財務官僚は、他省庁官僚と実力と立場が全然違う。私は菅さんと仲がいいが、結局自分の権力欲に勝てなかったのだろう。

─これから小沢さんはどう動く?

 周囲が「もう小沢は終わり」と言っているが、彼はあきらめない。野田総理が、彼を排除すれば新党をつくると思う。健康問題を危惧する声があるが、会ってみれば分かるが極めて元気だ。自分に対し敵意を持つ新聞テレビに小沢氏がけんか腰になるのは分かる。しかし、もう少し大人になって彼らの一段上のところでひょうひょうとやるしかない。その点、週刊誌が小沢サポートに回ったのは興味深い。

─小沢氏を支持する私は、新聞業界で変わり者扱いされる。

 私に接触する官僚や経済人、そしてマスコミにも「本当はあなたの言うとおりですよ。これからも書き続けて、言い続けて」とソッと声を掛けてくれる人は多い。しかし、「名前を出すことはできない」という。それほど、小沢氏を取り巻く包囲網は強固で根深い。吉岡社長は大変勇気がある方だ。敬服する。

─3秘書に対する有罪と小沢氏自身の強制起訴にも裏が?

 秘書有罪に不可欠な証拠もないのに、本件以外の談合や裏金まで判決で推認している。検察が証明してもいないことを裁判官が認定してしまうと司法制度は成り立たない。小沢氏の強制起訴は、検察審査会の決定。素人の委員に「誰が資料を出し、意見誘導するか?」は簡単に見当がつく。検察は自ら起訴せず、検察審査会に強制起訴させるから、もし無罪になっても誰も責任を問われない。実に不気味で周到なやり方だ。

─結局、出るくいだった小沢さんは打たれた。ウォルフレン教授は大丈夫か?

 危険を感じなければならない人は政界の大物か、現在の政治システムを変えられる人。自分はどちらでもない外国人だから大丈夫。

○制御不能で危険な米国

─それにしても検察をはじめとする官僚組織の「現体制を守れ」との意識はそこまで強いということ。米国も同様か?

 米国は今や軍隊とネオコン(新保守主義)に支配され、ホワイトハウスでも制御できない国になった。具体的には、沖縄・普天間基地移転問題で「その方針で大丈夫」と鳩山総理に吹き込んで、結果的に失政に追い込んだ勢力が日米にいる。鳩山さんはウソつきでなく、米国にだまされただけ。

─米国にとって日本が〝真の独立〟を果たすと困るからだ。

 その通り。日本人は本気で北朝鮮や中国の脅威から、米軍が守ってくれると思っているのだろうか? 彼らは自分の都合でしか動かないのに。

─野田総理なら「そのへんをうまくやるだろう」との期待感がある。

 彼の姿勢は組閣を見れば分かる。外務、防衛、財務といった主要ポストは、官僚や米国が気にする素人ばかり。「いうことは何でも聞きますよ」という証にほかならない。

○日本の落とし穴は緊縮財政

─そうした日本を取り巻く〝危険な要素〟を本にまとめられている?

 「日本を取り巻く危険な罠」という題で本にするつもり。その最たるものは、疫病のように世界中に広がり危険極まりない緊縮財政志向だ。発端は米国で、政府が財政出動せず予算をカットし続け、今や欧州に飛び火した。日本でも財務省が〝財政均衡〟を叫んで増税に駆り立てている。確かに借金はいずれ返さなければならないが、外国から借金していない日本にとって大した問題ではない。日本の最優先課題は災害復興による内需拡大とはっきりしている。

─戦後長く続いた日米関係も見直す時?

 これはより危険で根深い。日本だけでなく欧州でも「対米外交は重要」と言い続けている人は多い。しかし東西冷戦の時代とまったく状況が異なる。今の米国は、国務長官はおろか大統領でさえ制御不能に陥っている。皆、新たな対日関係構築に興味はなく「以前と同じように従属的立場でいてくれたら結構」と無視されている。

─官僚や米国は「日本は民主党政権でもいい」と思っている?

 自分たちのいうことを聞いてくれる物わかりのいい民主党政権がダラダラ続けば「それでもいい」と思っている。しかし、その間に日本は、若者が夢を持てない国にどんどん陥ってしまう。これがもっとも恐ろしい罠だ。

─教授の住むオランダをはじめ、欧州の状況はどうか?

 オランダの〝米国中毒〟は相当ひどい。私は仲間から外れたことを言っているのでインテリ連中は相手にしてくれない。日蘭両国はともにずるいところがあるが、日本の方が勇気がある。欧州は過去30、40年で最も状況が悪く、息子の将来が心配だ。私自身、日本はすばらしい国だと知っている。だが、今のままではダメになる。日本を愛しているからこそ、警告している。

○隣国中国との関係重要

─そうなると中国の存在がさらに増してくる。

 中国に対し、日本の人々がどう考えようが、その物理的距離関係からいうと良好な関係を築かざるを得ない。最も近い大国だからだ。工業生産力だけでなく政治力も付け、国内経済力もさらに増すだろう。はっきりしているのは、米国にとって「日本が自分たちより中国に接近するのは不都合だ」と考えていることだ。

─中国脅威論は幻想か?

 発展途上のさまざまなひずみやトラブルはどこの国でもある。少なくとも今の中国は近隣諸国にとって、ただちに侵略国家と受け止められるようなことにはならない。

─沖縄の米軍基地政策も中国問題と密接に結びついている。

 米軍にとって沖縄の基地は対中国ににらみを利かせるため。さらに中東に部隊を派遣する最前線基地。いずれにせよ日本防衛とは何の関係もない。

○日本愛するウォルフレン氏 対談後記
 
一緒に食事しながら、生後7カ月の長男とアイルランド人の奥さん(40)の写真を見せられた。「18歳から世界中を飛び回り、結婚するヒマがなかった。息子は日本に住んでほしい」と少し照れて笑った。彼は日本を高く評価し、母国オランダに失望していた。

かつて私が評価した改革派キャリア官僚、古賀茂明氏も結局、経産省を追われた。ウォルフレン氏が指摘したように、日本の官僚組織は簡単には変わりそうもない。また大マスコミも彼との接触を避け、今回われわれが招請しての来日だったが、他にはどこからも取材や講演の依頼はないそうだ。

それでも彼の本を出し続ける出版社が日本にあり、多くの日本の友人がいる。彼が訴え続ける正論が、本紙読者を通じ、より多くの心ある人々に届けば幸いだ。
(吉岡利固)

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