「検察の罠」 小沢一郎抹殺計画の真相 ・2

「検察の罠」 
小沢一郎抹殺計画の真相  森ゆうこ著


<一部抜粋②>

最高裁が隠蔽を企てた「2回目の審査事件票」

 黒塗りをはずさせることには成功したが、ここでもう一つ困ったことがあった。
 肝心の、小沢先生の2回目の起訴議決をした審査会の審査事件票がないのである。最高裁に聞くと、「2回目の審査事件票はそもそも存在しない」という。その理由は、最高裁の通達で作らないことになっているというのだ。
 もちろん、そんな説明で納得いくわけがない。というのも、審査事件票をいよいよ最高裁が持ってくるという日、こんなやりとりがあったのを覚えていたからだ。

 私がその日何度目かの催促の電話を最高裁の担当者にかけたとき、さりげなく「何枚あるの?」と聞いてみた。相手は「34枚です」と答えた。ところが、持ってきた審査事件票は33枚だったのだ。そして、第2回の分の審査事件票は存在しない、と言う。必ず34枚目が存在し、それが2回目の審査事件票なのだ、と確信した。

 私は「なぜ2回目の分がないの? もし本当にないのなら、今からでも作るべきだ」と問い詰めた。
 さらに、予算委員会の筆頭理事として、もしも審査事件票を出さないなら、予算委員会で最高裁の予算案を追及するという姿勢をちらつかせた。実際に党の法務部会で問題提起し、「検察審査会の適正な予算執行が確認できなければ、来年度予算案を認めることはできない」と確認した。おそらく、「こいつはやると言ったらやるな」と思ったのだろう。

 年が開けてから、ようやく最高裁は34枚目の審査事件票、すなわち小沢元代表案件の2回目の審査事件票を提出してきた。「新たに作った」と言い張ってはいたが……。
http://my-dream.air-nifty.com/siryou/files/2-sinsazikenhyou.pdf

 最高裁に要求して審査事件票をはじめとする文書を出させ、さらにはこの問題を調査している市民オンブズマンの方が情報公開請求をして得た資料を提供してくださったこともあり、私のもとには「審査員旅費等支払い調書」、審査員の「誓約書」、あるいは審査員の欠席がある場合に臨時の審査員を選定したときの「審査員臨時選定録」といった資料が集まってきた。

 公務が終わった真夜中、秘書たちを帰宅させ、私は一人でこれらの資料を付き合わせた。審査会がいつ開催されたのか、誰が出席したのかをパズルを組み合わせるようにして明らかにしていった。
 幾晩か夜を徹し、私は「パズル」の完成作業に没頭した。気づけば夜が明けていたこともあった。

 最初は無理だと思えたパズルの完成だが、答えを見つけるまではやめられない、そんな気持ちだった。いつまでも明かりが消えない部屋を見て、議員会館の管理人さんたちは、何をやっているのかといぶかしがったに違いない。
 起訴議決を出し、議決書を作るまでの審査会の開催日がわかったとき、私は思わず小さく
ガッツポーズをしてしまった。そんな自分自身に苦笑いしつつ……。

 ① 7月13日(火)
 ② 7月27日(火)
  <8月 4日(水)審査員半数交代、3群の審査員・補充員、宣誓書署名> 
 ③ 8月10日(火)
 ④ 8月24日(火)
 ⑤ 8月31日(火)
 ⑥ 9月 6日(月)
 ⑦ 9月14日(火)起訴議決
 ⑧10月 4日(月)議決書作成、署名、掲示

 これで明らかになったのは、審査会の開催日について、嘘の情報が流されていたということだ。
 これまでマスコミには、「8月中はお盆休みもあり隔週でしか集まれなかった。9月に入ってからは平日に頻繁に開催し、14日に議論が煮詰まったので急遽議決することになった」というストーリーが流布されていた。

 しかし、実態は明らかに違う。8月にも3回開催されているし、9月は2回だけである。
 ちなみに、9月8日(水)の新聞各紙は、一斉に小沢元代表案件について、検審の2回目の審査が本格化したと報道した。

 そもそも非公開が原則で、開催日を特定するのにもこれほど苦労しなければいけない検審の審査状況を、新聞が報道するのはおかしい。それも、同じ日の朝刊に一斉にだ。
 これは、明らかに意図的なリークの結果だろう。内部の誰かが、司法記者クラブにリークしたのである。

検察審査会がぶつけてきた「小沢一郎起訴議決」のイカサマ

 さらに、資料を突き合わせることで、各開催日にどの審査員が参加したか、という「出席簿」を作ることができた。もちろん、集まった資料では、審査員の名前は黒塗りされている。ただ、それぞれの審査員にはコードナンバーが振られているので、それによって誰が、いつ出席したのかは特定できる。

 この「出席簿」を作ったことによって、私はついに検察審査会の明らかな違法行為を発見した。
 検察審査会では、11人の審査員が揃わなければ会議を開き、議決をすることができない。もしも審査員に欠席がある場合は、出席している「補充員」の中からくじ引きで臨時の審査員を選出することになっている(検察審査会法弟25条)。

 起訴議決が行なわれた9月14日には、9人の審査員と、9人の補充員が出席している。ちなみに、審査員・補充員とも、各2人は宣誓書を提出していないので、初回から最終回までずっと欠席したものと思われる。
 便宜上、9人の審査員を1号から9号、9人の補充員をA号からI号と呼ぼう。
 この日は審査員に2人の欠席があったので、補充員の中からくじでB号とF号が臨時の審査員に選ばれた。さらに、審査員のうち5号がこの日は早退したため、補充員の中からC号がくじで選出された。
 結果、この日の最後に行なわれた起訴議決は、1~4号、6~9号の審査員8人、B号、C号、F号の臨時審査員3人によって行なわれている。

 ところが、この日の議決は急速行なわれたために、議決書があらかじめ用意されていなかった。この点は、「14日に議論が煮詰まったので急遽議決することになった」という、マスコミに流れた情報と一致する。
 そこで、議決書に審査員が署名するために、さらにもう1日、開催日が必要になった。それが10月4日だ。
 この日の出席簿を見ると、審査員1~9号、補充員A~I号の計18人が出席している。したがって、会議を始めるためには補充員の中から2人の臨時審査員を選出すればいいはずだ。
 ところが、なぜかこの日も、3人の臨時審査員が選出されている、と記録にはある。しかも、その3人はB号、C号、F号。9月14日に選出されたのと同じ3人だ。

 検察審査会法25条によれば、補充員から臨時審査員を選出するのは、審査員が欠席した場合だけだ。2人の欠席に対して、3人の臨時審査員を選出しているのは違法な手続きである。
 しかも、9人のうちから3人をくじで選んだ場合に、前回とまったく同じ3人が選ばれる可能性は非常に低い。ここでは不正な操作が行なわれた疑いが強い。

 では、なぜルール違反を犯してまで3人の臨時審査員が選出されたのか。理由は明らかだ。前回の議決に参加したメンバーが署名しなければ、議決書は無効になる。有効な議決書を作るためには、何としても前回と同じメンバーを揃えなければならなかったのだ。

 そもそも、東京第五検察審査会がこんなインチキをしなければいけなくなったのは、9月14日に急遽議決をしたためである。検察審査員経験者の話を問くと、通常の審査会では、議決日はあらかじめ決められ、その日には議決書も用意されているという。これなら、議決してその場で署名すれば問題は起こらない。
 今回の場合、議決書の準備もないのに、無理やり9月14日に議決をしたために、東京第五検察審査会は法を犯すことになってしまった。さらに、臨時審査員選出で不正を行なった疑いも強い。

 そこまでして9月14日議決にこだわった意図については、もう説明の必要もないだろう。
 民主党代表選の当日に小沢先生の起訴議決をして、その事実を民主党議員たちにそれとなく知らせる。選挙が行なわれている最中にそんな情報が入れば、投票に影響するのは間違いない。

 仮に選挙で「小沢新代表」が誕生したとしても、その直後に「起訴議決により小沢は刑事被告人になる」という事実をぶつけ、大ダメージを与えることができる。
 誰がこんなことを考えたのかはわからないが、悪賢いとしか言いようがない。

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