出口なき原発

現在我が家で購読中の東京新聞に、今年になってから「本音のコラム」という欄に鎌田 慧(かまた さとし)氏の記事が掲載されるようになり、それで、ルポライターとしての鎌田氏の存在を知った。特に福島原発の事故以降は、毎回欠かさずこのコラム欄に目を通すようになり、民主主義とは相容れない原発を糾弾しつつ、反原発を貫く鎌田氏の姿勢に共感していた。
著作の「日本の原発危険地帯」は、先日読んで関連記事をこのブログに載せた。
【「日本の原発危険地帯」を読んで 】
http://nekotomo.at.webry.info/201110/article_11.html
昨日のコラムの記事は、「日本の原発危険地帯」と非常に繋がりのある内容なので転載させていただいた。



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東京新聞 本音のコラム 2011.11.8

出口なき原発  鎌田 慧

 日曜の午後、北海道旭川市での「原発と憲法」集会に参加した。原発と憲法二五条の生存権は、原発と民主主義のように対立して、相いれない。
 ところが、原発と原爆は凶暴な双子の兄弟のように、いつでも取り換えがきいて平和を脅かす。日本核武装の物質的、技術的基盤としての「もんじゅ」と再処理工場をまず止めよう、と「さよなら原発」の署名をわたしは訴えて歩いている。
 いまやめても、使用済み核燃料の最終処分揚が難問だ。旭川から稚内にかけての「道北地区」には、幌延町の「核廃棄物施設」があって、住民たちを不安に陥れている。ここは岐阜県の東濃地区とならんで、もっとも重要な候補地なのだ。
 わたしはそのふたつともに取材にいったが、最近サボっているあいだに、幌延では三百五十メートルの立て坑と水平坑道の掘削がすすんだそうだ。
 正式には、二十億円の交付金と引き換えに、「文献調査」を受け入れた地域が候補地になるのだが、すでにPR施設「ゆめ地創館」が開館、これまで住民を騙したおなじ手法が使われている。
 福島原発の事故は、運転中の原発ばかりか、使用済み核燃料も恐怖の対象だ、と知らしめた。地元のひとたちも、強い関心をもちはじめた。二十三日、幌延町共進会場で、千二百人規模の集会がひらかれる。出□のない原発をつくった責任は重い。(ルポライター)




【「日本の原発危険地帯」を読んで 】
http://nekotomo.at.webry.info/201110/article_11.html
の記事より、核廃棄物施設である「深地層研究所」について記述した箇所を一部抜粋して転載する。


◆幌延(北海道)
http://www.jaea.go.jp/04/horonobe/
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◆東濃鉱山(岐阜県)
http://www.jaea.go.jp/04/tono/index.htm
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幌延と東濃の施設は、独立行政法人・日本原子力研究開発機構が管轄している。両施設には共に「深地層研究所」が併設され、放射性廃棄物の地層処分の研究と開発が着々と進められている。そして、その成果とノウハウは既に十二分に蓄積されていることが見てとれる。この地層処分とは、地中の奥深く穴を掘って核のゴミを埋めてしまう最終処分のことだが、是非、各々のホームページをご覧になることをお勧めする。日本における地層処分の研究が、ここまで進んでいることに少なからず驚かれることと思う。

国内の最終処分場は、過去に幾つかの候補地が取り沙汰されてきたが、地元住民の反対にあって公には具体的な建設地はまだ決まっていないことになっている。
【高レベル処分地公募に応じる各地の動き】
http://homepage3.nifty.com/ksueda/waste0305.html
しかし、幌延と東濃の施設は名目は研究目的ではあるが、機能は十分備えているので、実質的に最終処分場としての役割を果たしている可能性がある。使用済み核燃料や放射性廃棄物が密かに集められ、もう既に地中に埋められているのではないか、というこの疑念はとても払拭できるものではないように思える。

そして、福島原発の事故以降現在に至るまで、警戒区域内における最終処分場建設が目的であるかのような動きが、強引に推し進められている。この区域内をはじめ、原発周辺の詳細な様子がさっぱり伝わってこないのが大変気がかりである。伝えていないと言った方が正確か。先日は1号機建屋を囲むカバー完成のニュースがあったが、やっとこの程度しか報道されてこない。テレビ・新聞・週刊誌等メディアは、突撃取材でもよいから、私たち国民に原発の敷地内・警戒区域内がどんな状況なのか写真や動画で詳しく伝えるくらいの気概を持って欲しいものだ。こんな状況だから、地層処分へ向けて最終処分場の建設が、敷地内において既に始められているのではないかという疑念も持たざるを得ない。上記三施設における研究で蓄積された成果とノウハウを、「福島・核のゴミ捨て場計画」にも活用してくるだろうことは当然予想されるのだから・・・

【当ブログの関連記事】
◆着々と進められる「福島・核のゴミ捨て場計画」
http://nekotomo.at.webry.info/201110/article_10.html
◆電力を原発に頼る危うさ・日本編② 高レベル放射性廃棄物のゆくえ
http://nekotomo.at.webry.info/201109/article_7.html
◆汚染がれき 福島・広野町に搬入計画②
http://nekotomo.at.webry.info/201109/article_4.html
◆汚染がれき 福島・広野町に搬入計画①
http://nekotomo.at.webry.info/201109/article_3.html
◆警戒区域の高線量地を国有化するという政府の本当のねらいは、 核廃棄物最終処分場の建設
http://nekotomo.at.webry.info/201108/article_8.html
◆放射性核廃棄物の処分場建設計画が着々と進められている
http://nekotomo.at.webry.info/201105/article_15.html
◆菅政府と東電は、福島を核廃棄物の 最終処分場にするつもりではないのか
http://nekotomo.at.webry.info/201104/article_13.html

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